TOP > 雪かきのコツ(1) 雪かき10箇条
除雪は見た目以上に重労働です。重い雪を運ぼうとして力むと血圧と脈拍が急上昇します。身体への急激な負担を減らすよう、除雪作業の前には準備体操をするようにしましょう。
除雪作業は下半身(ふくらはぎ)に血液が溜まりがちですから、作業後の体のケアも大事です。急に作業をやめてしまうと下半身に溜まった血液が上半身(心臓や脳)に行き渡らず、貧血の原因となります。下半身の血液を身体全体に循環させるイメージで、整理運動を行ないましょう。
水がしみないように、防水素材の上着を着用しましょう。防寒も大事ですが、雪かきをしていると体が温まり汗もかきます。作業中に体温調整がしやすいように、重ね着がオススメです。汗で濡れても体が冷えないように、なるべく吸水性がよく、乾きやすい素材の下着を着用しましょう。
滑りにくく、雪が入らないような長靴や深い防寒靴をはいて作業しましょう。
雪かきは腕の力だけにたよるのではなく、足や腰も使いましょう。スコップを使う際は、腕の力だけではなく、足と腰の力を使った方が効率的です。雪を持ち上げるときは、背筋を伸ばして膝を曲げ、体全体で持ち上げるようにしましょう。スコップで雪を持ち上げる場合は、雪山に近づいた方がより軽い力で雪を持ち上がることができます。
スノーダンプを使う時は、上半身に力を入れず、腰から進むのがポイントです。
除雪作業は身体を支える脊柱(せきちゅう;背骨)が要です。脊柱は直立のときが、一番体重が分散され、安定した状態です。前かがみの姿勢では、脊柱にかかる荷重に偏りが生じ、ヘルニアなどの原因となります。スコップで雪を持ち上げるときは、蹲踞(そんきょ)の姿勢をとり、背筋を伸ばし、身体全体で雪を持ち上げてください。脊柱を支えているのは、お腹と背中と腰周りの筋肉です。これらの脊柱を支える筋肉群がしっかりと働くように、お腹に力を入れてあげましょう。
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身体をひねるように雪を捨てるのは、腰などを痛める原因になるので注意しましょう。後に雪を投げ出したい場合は、腰をひねらず、投げ出したい方向に体の向きを変えて、正面に捨てるように心がけましょう。
脊柱(せきちゅう;背骨)を支える腹筋や脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)といった筋肉群は、ひねり動作に脆いと言われています。腰をひねると裁断力が働き、これらの筋肉が最悪の場合、切れてしまう場合もあります。
除雪は見た目以上に重労働です。特に、大雪や除雪車が残した固くて重い雪の処理はとても大変です。短時間で除雪を片付けようとせず、無理な作業はやめましょう。最初から激しい作業は避けて、じょじょに体を慣らしながら作業をすることが肝心です。あせらずに、雪かきは時間に余裕をもって行ないましょう。
短距離走のように気張って除雪をすると、血圧や脈拍が急上昇したり、筋肉や関節を痛めやすくなってしまいます。ゆっくりで会話ができるぐらいのニコニコペースでコツコツしていくことが、身体的・精神的な余裕を生みます。また、心臓の弛緩している時間が比較的長いので、心筋への血流が増加しても心臓の酸素不足が起こりにくく、安全度が高くなります。
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体調管理に気を配り、疲れているときや風邪を引いているときなどは、激しい作業はしないようにしましょう。こまめに水分補給をとることも必要です。作業中に体に異変を感じたら、作業を中断して休むことが大事です。何事も焦りは禁物です。
身体の水分が少なく、脱水症状になると血液の流れが悪くなり、脳梗塞や心筋梗塞の原因となる場合があります。水分をすぐに採れるように、水筒などを用意し、水分補給を心掛けましょう。
除雪作業中の発症、屋根からの雪の落下、除雪機による事故など、除雪作業中には予期しない色々なトラブルが発生する可能性があります(「除雪のこんなときが危ない」)。もしものために、できるだけ、2人以上で作業しましょう。除雪作業に入る前に、家族や隣近所に声をかけるようにしましょう。非常時の連絡のため、携帯電話の携行も忘れずに。
屋根からの落雪、融雪槽への転落などによる事故が、毎年のように発生しています(「北海道の除雪事故」)。除雪しようとしている建物の屋根の形状や、融雪装置の位置など、除雪しようとしている場所の状況をしっかり頭に入れておきましょう。ボイラーやFFストーブの排気口が雪で埋まり、一酸化炭素中毒を引き起こす場合があります。排気口の周りの雪にも注意を払い、こまめに除雪するようにしましょう。
天気予報を参考にして、なるべくひどい天気での作業は避けるようにしましょう。夕方の天気予報を参考にして、朝までに雪の降ることが予想される場合は、少し早起きをすることで、余裕をもって除雪しましょう。激しい雪が降っている場合は、短時間予報やレーダー画像などを見ると、いつ頃まで降り続くのかがわかり、除雪のタイミングの参考にできます。
晴れて気温の高いときは、屋根の雪の落下に要注意です。不用意に軒下に近づくのは危険です。
除雪には、雪質や用途に応じて色々な種類の道具があります。やわらかい新雪から固く締まった雪まで、色々な雪があります。雪質に合わせて、楽に作業のできる除雪道具を選びましょう。積もった雪を切り分ける場合や雪を遠くに運ぶ場合など、除雪作業の目的に応じて適切な道具を使うことで、除雪作業の負担を減らし、効率的に作業することができます(「雪かき道具を使いこなす」)。