TOP > 雪下ろしのコツ(1) 雪下ろしの注意点
北海道の住宅や車庫で使われている屋根材(金属板)は雪を落としやすくするため、表面を滑らかに仕上げてあり、とても滑りやすい材料です。屋根の表面が濡れた状態では特に滑りやすくなります。このため、屋根の上に雪を少し残すなど、金属板の上を直接歩かないようにしましょう。また、気温が高い日は雪が滑りやすくなりますので、雪が安定しているかを確認してから作業を始めましょう。
平らな無落雪屋根で断熱性能が高い場合は、屋根の雪は地上の雪とほとんど同じ状態で、積もる量も多くなり、雪庇などができやすくなります。断熱性能が低い場合は、室内の熱が伝わり雪が融けるので、雪の量は少なくなりますが、融雪水により雪が滑りやすくなる他、ツララや氷板ができます。勾配屋根(傾斜屋根)は平らな屋根に比べ積もる雪の量は比較的少なくなりますが、勾配が緩いと雪が落ちない場合もあります。
断熱性能が低い住宅が空き家になった場合や屋根の下の部屋を暖房しなくなった場合は、人が住んで暖房していた時に比べ、屋根に積もる雪の量が極端に多くなり、落雪屋根でも屋根の雪が落ちなくなることもあるので注意が必要です。
無落雪住宅の例
空き家になった勾配屋根の住宅
平らな無落雪屋根では屋根の端部や雪庇に注意し、端に近づかないように作業することにより、屋根から転落する危険性は少なくなります。建物に固定された点検用はしごがある場合は、屋根を上り下りする際の安全性が高まります。また固定されたはしごに十分な強度がある場合は、命綱の固定にも利用できます。
勾配の大きい屋根では、雪下ろし作業時にバランスを崩しやすく、雪止めがないと雪と一緒に滑り落ちる恐れがあります。また屋根に立て掛けたはしごが転倒しないようにする必要があります。勾配屋根の雪下ろしは危険性が高いので十分に注意する必要があり、安全確保に自信がない場合には、専門業者にお願いするようにしましょう。
勾配屋根に立て掛けたはしご
勾配屋根の雪下ろし作業
物置や車庫は滑りやすい屋根材であると共に屋根面積が狭いので、足を踏み外して転落する危険性が高くなります。平成24年度に発生した雪下ろし事故(311件)のうち車庫・物置の雪下ろし事故は全体の23%(71件)を占めています。平屋の建物、2階建の1階部分の雪下ろしでも、滑りやすいことに変わりはなく、転落事故の事例も多いので、油断せず十分な注意が必要です。
車庫の雪下ろし
平屋建住宅の雪下ろし